中国人にとって日本語の漢字は簡単なのか?

背景

中国は漢字の国だから、中国人にとって日本語の漢字が簡単であろうとされていることがしばしば聞きます。

また、中国人の方は日本語の授業で先生に「漢字だから、意味がなんとなくわかるよね!」と尋ねられた経験がないでしょうか。

中国人は日本語の漢字が得意だとされるケースもしばしば見られますが、試験などから見れば、トップに立っている方々は中国人ではなく、欧米人などのほうが多いようです。
(実際にリサーチしてませんが、自分の経験と先生の話による結論)。

中国人にとって日本語の漢字が本当に簡単なのかについて考えていく必要があるでしょう。

目的

ここでは、中国人にとって、間違いやすく、混和しやすいことを焦点にして、日中の漢字について例を挙げながら、比較し、それらの特徴を分類する。
日中間の漢字の相違を明確することによって、中国人の日本語学習者の一助になることを願います。

漢語と中国語の漢字における特徴


同じ漢字が、違う意味を持つ 

漢字 中国語での意味 日本語での意味
お母さん むすめ(娘)
検討 厳しく自己批判 調べたずねる
愛人 奥さん 情婦・情夫
勉強 無理して・・・をする 学問や技術を学ぶこと

日本の飲食街に出たら、“○○料理”はいっぱい見えてくる。
この場合の“料理”は食べ物を指しているが、中国語の“料理”は全然違う意味になります。
陳(「日本語と中国語」 陳瞬臣 陳謙臣 p65―68)によると、中国語の“料理”は2つの意味を持っています。
それらは①処理する、②世話するという意味です。



同じ漢字が、同じ意味と違う意味を持つ


ex: 「表現」について:「表現力、表現手法、表現形式」は日中共通である。
次の例は、同じ漢字において意味が違う。

他的表現不好 ⇒彼の表現が良くない。
(×) (ここの“表現”は“態度”という意味になる)
彼の態度がよくない。(○)     「言葉の往来」 芝田稔 p118~119



同じ漢語だが、構成が違う

次の例を見てみよう。
制限→限制  融通→通融  短縮→?短  運命→命?(運)  応答→答
?  紹介→介?
「言葉の往来」 芝田稔 p91~92


中国人は漢字の拾い読みによって、意味の理解に失敗を経験した人もよくみられる。


例えば:有難う→災難にあうという意味をする。 
「東京海上火災」→「東京の海上燃える」と想像する。 
  「日本語と中国語」劉徳有 p166

漢字の書き方が微妙に違う。(日→中)


Ex: 画→ 画  歩→?????? 庁→?  底→底???? 写真→写真 ? 直接→直接
まとめ:以上みてきた5つの特徴から、日中間の漢字は似ているようで実は似ていないことがわかるだろう。又、個人の経験であるが、漢字が訓読みの場合も難関の一つである。

中国人の日本語学習者はすでに身につけた漢語力を活かして、日本語を学ぶことを想定できる。中国人がうまく漢字をマスターするためには、2つのことを考えなければならない。

一つ目は、中国人は漢字に対して謙遜な態度で勉強できるかどうかという問題である。
二つ目は、中国語の漢字の影響で、日中漢語の相違点に気づき、そして正確に漢字を覚えるまでは時間がかかると考えられる。

中国人日本語学習者は以上の特徴を初級段階で十分に理解し、整理しておけば、学習に役立つでしょう。
李維娥

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